呪われた絵画 第二章
美咲は、肖像画に描かれた人物の表情が変わっていることに気が付き、絵が呪われているのではないかと考えた。
そして、その日から、美術館では、さらに奇妙な出来事が起こり始めた。
肖像画に描かれた人物に似た人物が、現実世界に現れ始めたのだ。
最初に現れたのは、肖像画に描かれた人物に似た、若い男性だった。
男性は、美術館の入り口付近で、美咲に声をかけた。
「すみません、この美術館に、私の先祖の肖像画が展示されていると聞いたのですが…」
男性は、そう言った。
美咲は、男性の言葉に、ドキッとした。
(もしかしたら、この人が、肖像画に描かれた人物の、子孫なのかもしれない…)
美咲は、男性を展示室へと案内した。
男性は、肖像画の前に立つと、目を輝かせた。
「やはり、私の先祖の肖像画だ!」「素晴らしい…」
男性は、肖像画をじっと見つめていた。
美咲は、男性に話しかけた。
「あの、あなた様は、この絵に描かれた人物の、ご子孫の方ですか?」
美咲は、尋ねた。
男性は、頷いた。
「はい、私は、この絵に描かれた人物の、子孫です」
男性は、そう言った。
美咲は、男性に、肖像画について何か知っていることはないかと尋ねた。
男性は、少し考えた後、言った。
「この絵に描かれた人物は、私の先祖の中でも、特に有名な人物です」
「彼は、かつて、この国を治めていた貴族でした」
「しかし、彼は、ある事件に巻き込まれ、若くして亡くなりました」
男性は、そう言った。
美咲は、男性に、その事件について詳しく教えてほしいと頼んだ。
しかし、男性は、首を横に振った。
「その事件については、私も詳しくは知りません」
「ただ、私の家には、その事件に関する古い文献が残されていると聞いています」
男性は、そう言った。
美咲は、男性に、その文献を見せてほしいと頼んだ。
男性は、少し悩んだ後、言った。
「分かりました。今度、家に戻った時に、文献を探してみます」
「もし、何か分かったことがあれば、美咲さんに連絡します」
男性は、そう言ってくれた。
美咲は、男性に礼を言い、別れた。
(もしかしたら、この男性が、肖像画の謎を解き明かす、手がかりになるかもしれない…)
美咲は、そう思った。
そして、男性からの連絡を待つことにした。
しかし、数日経っても、男性からの連絡はなかった。
美咲は、心配になり、男性に連絡を取ろうとした。
しかし、男性の連絡先を知らなかった。
美咲は、男性に会った場所、つまり、美術館の入り口付近へと向かった。
しかし、男性の姿は、どこにもなかった。
美咲は、男性を探して、美術館の中を歩き回った。
しかし、男性は、どこにもいなかった。
美咲は、肩を落とした。
(一体、彼は、どこへ行ってしまったのだろう…)
美咲は、そう思った。
そして、その時、美咲は、あることに気が付いた。
それは、男性の顔だった。
男性の顔は、肖像画に描かれた人物の顔と、瓜二つだった。
美咲は、背筋が寒くなった。
(もしかしたら、彼は、本当に、肖像画に描かれた人物の、子孫ではなかったのかもしれない…)
美咲は、そう思った。
そして、男性が、肖像画に描かれた人物そのものなのではないかと考えた。
美咲は、恐怖を感じた。
(一体、何が起こっているのだろうか…)
美咲は、混乱した。
第二章 完
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