呪いの螺旋階段 第三章

ホラー

呪いの螺旋階段 第三章
エマは人形たちに毎日語りかけた。
「きっと、ここから抜け出す方法があるはずだ」
「みんなで力を合わせれば、きっとできる」
エマの言葉は、人形たちの心に少しずつ響いていった。
そして、ある日、人形たちに変化が現れた。
彼らの表情が、少しだけ明るくなったのだ。
エマは嬉しかった。
「みんな…わかってくれた…!」
エマは確信した。
みんなで力を合わせれば、きっとこの呪われた洋館から抜け出すことができる。
しかし、そのためには、どうすればいいのだろうか?
エマは考えた。
そして、一つのことを思い出した。
それは、祖父から聞いた話だった。
「この洋館には、呪われた螺旋階段がある。決して、その階段を上ってはならない」
祖父はそう言っていた。
しかし、エマは逆に思った。
「もしかしたら、螺旋階段に秘密があるのかもしれない」
エマは人形たちに言った。
「みんな…螺旋階段に行ってみよう!」
人形たちは頷いた。
エマは人形たちを連れて、螺旋階段へと向かった。
螺旋階段は、相変わらず不気味な雰囲気を放っていた。
しかし、エマは怖くなかった。
彼女は人形たちと一緒に、この呪われた洋館から抜け出すことを決意していた。
エマは人形たちを従えて、一段ずつ階段を上り始めた。
階段を上るにつれて、エマは奇妙な感覚に襲われた。
まるで、誰かに見られているような、そんな感じだった。
エマは背後を振り返った。
しかし、そこには誰もいなかった。
エマは再び階段を上り始めた。
そして、ついに、階段を上りきった。
そこには、扉があった。
エマは意を決して扉を開けた。
そこに広がっていたのは、今まで見たことのない光景だった。
部屋の中には、大きな鏡があった。
そして、鏡の前には、顔のない男が立っていた。
エマは驚いた。
「あなたは…!」
男はゆっくりとエマに近づいてきた。
エマは恐怖を感じた。
しかし、エマは逃げなかった。
彼女は男に立ち向かった。
「あなたは一体何者なの?」
エマは男に尋ねた。
男は答えた。
「私は…この洋館の主人だ」
「そして…私は…呪われている」
男は悲しそうな表情で言った。
エマは男の言葉に驚いた。
「あなたは…呪われている…?」
男は頷いた。
「私は…この洋館に閉じ込められている」
「そして…私に触れた者は…人形にされてしまう」
エマは男の言葉に絶望した。
「私も…人形にされてしまうの…?」
男は悲しそうに頷いた。
エマは覚悟を決めた。
「私は…あなたを解放する」
「そして…この洋館の呪いを解く」
エマは男に言った。
男は驚いた表情でエマを見つめた。
「どうして…?」
「どうして…私を解放しようとする?」
エマは答えた。
「あなたは…悲しんでいる」
「私には…あなたの気持ちがわかる」
「だから…私は…あなたを解放したい」
男はエマの言葉に感動した。
「ありがとう…」
「ありがとう…エマ…」
男は涙を流した。
エマは男に近づき、そっと手を握った。
その瞬間、エマの体に光が溢れ出した。
そして、光が消えたとき、エマは人間の姿に戻っていた。
エマは嬉しかった。
「私は…元に戻れた…!」
エマは男に言った。
「あなたも…元に戻って」
男は頷いた。
そして、男の体にも光が溢れ出した。
光が消えたとき、男は人間の姿に戻っていた。
男はエマに感謝した。
「ありがとう…エマ…」
「あなたは…私を解放してくれた」
エマは微笑んだ。
「もう…あなたは自由よ」
男はエマに別れを告げ、洋館から出て行った。
エマは人形たちに言った。
「みんな…もう大丈夫よ」
「この洋館の呪いは解けたわ」
人形たちは喜んだ。
そして、彼らは次々と人間の姿に戻っていった。
エマは人形たちと一緒に、洋館から出て行った。
第三章 完

呪いの螺旋階段 第四章

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