呪いの螺旋階段 第四章
洋館から出たエマと人形たちは、朝日が差し込む街へと歩き出した。
人形たちは皆、人間の姿に戻り、喜びを分かち合っていた。
「ありがとう、エマ」
「あなたが私たちを解放してくれた」
人形たちはエマに感謝の言葉を伝えた。
エマは微笑んだ。
「もう大丈夫よ。これからは自由に生きられるわ」
人形たちはそれぞれの道へと散っていった。
エマは一人、街を歩いた。
彼女は、自分が変わったことを感じていた。
以前の彼女は、ただ恐怖に怯えるだけの存在だった。
しかし、今は違う。
彼女は、勇気と優しさを手に入れた。
エマは、この経験を無駄にはしないと思った。
彼女は、この街で、人々を助けるために生きていこうと決意した。
そして、いつか、この街の人々が、彼女のことを忘れても、
彼女は、人々のために、静かに、そして力強く生き続けるだろう。
その日の午後、エマは祖父の墓参りに行った。
「おじいちゃん、ただいま」
エマは墓石に話しかけた。
「私、変わったよ」
「もう、怖くない」
「おじいちゃんの言っていたこと、今ならわかる気がする」
「螺旋階段は、呪われていたけど、」
「それは、過去の悲しみを閉じ込めていたからなんだね」
「私は、その悲しみを解放したよ」
エマは涙を流した。
「おじいちゃん、ありがとう」
「私をこの洋館に住まわせてくれてありがとう」
「おかげで、私は強くなれたよ」
エマは深呼吸をした。
そして、空を見上げた。
青い空には、白い雲が浮かんでいた。
エマは、未来への希望を感じた。
彼女は、これから、この街で、
人々を助けながら、
自分らしく生きていく。
そして、いつか、
この街の人々が、
彼女のことを忘れても、
彼女は、人々のために、
静かに、そして力強く生き続けるだろう。
第四章 完
これにて「呪いの螺旋階段」は完結となります。
この物語を通して、読者の皆様に、恐怖や勇気、そして優しさについて考えていただけたら幸いです。
また、古びた洋館という舞台を通して、ゴシックホラーの世界に触れていただけたらと思います。
この物語を読んでくださり、本当にありがとうございました。
呪いの螺旋階段 第四章

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