悪夢の遊園地 第三章
アリスの体から光が溢れ出し、顔のない男は跡形もなく消え去った。
「一体…何が…」
アリスは自分の体に起こった変化に戸惑いを隠せない。
しかし、今は考えている暇はない。
「早くここから出よう!」
アリスは友人たちを連れて、城を後にした。
城を出ると、アリスたちは遊園地の異変に気づいた。
昼間は賑わっていたはずの遊園地が、今は静まり返っている。
アトラクションは全て停止し、園内には不気味な静寂が漂っている。
「どうなってるの…?」
アリスは不安になった。
その時、アリスたちの耳に、奇妙な音が聞こえてきた。
それは、子供たちの笑い声のような、悲鳴のような、不気味な音だった。
音のする方へ向かうと、アリスたちは広場にたどり着いた。
広場の中央には、大きなメリーゴーランドがあった。
メリーゴーランドはゆっくりと回転しており、子供たちの笑い声のような、悲鳴のような音は、メリーゴーランドから聞こえていた。
「あれ…」
アリスはメリーゴーランドに近づいた。
メリーゴーランドには、たくさんの人形が乗っていた。
しかし、その人形たちは、皆一様に苦悶の表情を浮かべていた。
そして、人形たちの顔は、青ざめていた。
「まさか…」
アリスは、人形たちがかつてこの遊園地で遊んでいた子供たちだった。
「やっぱり…」
アリスは確信した。
この遊園地は、子供たちの魂を奪うために作られた場所だ。
そして、メリーゴーランドに乗っている人形たちは、かつてこの遊園地で遊んでいた子供たちなのだ。
「助けなきゃ!」
アリスは人形たちを助けようとした。
しかし、メリーゴーランドは呪われている。
簡単に近づくことはできない。
「どうすれば…」
アリスは考えた。
そして、一つのことを思い出した。
それは、城の中で見つけた写真のことだった。
写真の裏側には、こう書かれていた。
「ファンタジーランドは、子供たちの魂を奪う場所」
「アリスも、いずれは魂を奪われる」
アリスは、自分も魂を奪われるかもしれないということを思い出した。
しかし、それよりも、人形たちを助けたいという気持ちの方が強かった。
「やるしかない!」
アリスは覚悟を決めた。
彼女はメリーゴーランドに近づき、人形たちに話しかけた。
「みんな、聞こえる?」
「私はアリス。」
「あなたたちを助けに来たわ!」
人形たちは、アリスの言葉に反応した。
彼らは皆、アリスの方を見つめた。
「みんな、一緒にここから抜け出そう!」
アリスは人形たちに言った。
人形たちは頷いた。
アリスは人形たちをメリーゴーランドから降ろし、一緒に遊園地からの脱出を試みた。
しかし、遊園地は呪われている。
簡単には脱出できない。
アリスたちの前に、様々な障害が現れた。
動かないはずのアトラクションが動き出したり、
誰もいないはずの場所から、声が聞こえてきたり。
アリスたちは、それらの障害を乗り越えながら、遊園地からの脱出を目指した。
第三章 完
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