村人たちに感謝され、温かい言葉で見送られたアベルは、再び魔王討伐の旅に出た。
彼は、魔王の居城である魔王城を目指し、深い森の中へと足を踏み入れた。
木々が生い茂り、昼間でも薄暗い森の中は、魔物たちの気配が漂っていた。
アベルは、聖剣を手に、周囲を警戒しながら森の中を進んでいった。
しかし、どれだけ歩いても、魔王城への道は見つからない。
それどころか、いつの間にか方角感覚を失い、
自分がどこにいるのかさえ分からなくなってしまった。
アベルは、仕方なく、その場に座り込み、休憩を取ることにした。
疲労困憊だった彼は、しばらくすると眠りに落ちてしまった。
どれくらい眠ったのだろうか。
アベルは、何かの声に目を覚ました。
それは、優しい老人の声だった。
賢者:「若者よ、そこで何をしておるのかね?」
声のする方を見ると、一人の老人が立っていた。
老人は、穏やかな笑みを浮かべ、アベルを見下ろしていた。
アベル:「おじいさん、私はアベルと申します。
魔王を倒すために旅をしているのですが、
この森で道に迷ってしまいました。」
賢者:「ほほう、勇者アベル殿か。
それはそれは、遠いところからご苦労じゃったな。
わしは、この森に住む賢者じゃ。
そなたのことは、
神様から聞いておるよ。」
アベル:「神様からですか?
それは、一体どういうことでしょうか?」
賢者:「神様は、そなたが魔王を倒すために
必要な力を与えようとしておられる。
じゃが、その前に、
そなたには試練を乗り越えてもらわなければならん。
そして、その試練を乗り越えるために、
わしがそなたを導く役割を担っておるのじゃ。」
アベル:「試練ですか?
私に一体どんな試練が待ち受けているのでしょうか?」
賢者:「それは、そなた自身で見つけるのじゃ。
わしは、そなたにヒントを与えることしかできん。
じゃが、心配は無用じゃ。
そなたには、
神様から与えられた力と、
そして何より、
勇者の魂が宿っておる。
きっと、
どんな試練も乗り越えられるじゃろう。」
アベル:「ありがとうございます、おじいさん。
お言葉を胸に、
頑張ってみます。」
アベルは、賢者に礼を言い、再び歩き始めた。
賢者の言葉が、彼の心を力強く後押ししてくれた。
彼は、森の奥へと進んでいった。
そして、やがて、
彼は、
一つの洞窟を見つけた。
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